2015年09月07日
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ヤン・チヒョルト:アシンメトリック・タイポグラフィ
本来なら今頃、富士の七合目あたりで白雲荘を目指しているはずなのだが、自らの不徳で体調が思わしくなく断念。自宅静養中である。故に書棚に飾ってあったヤン・チヒョルトの「アシンメトリック・タイポグラフィー」を読む(積読からの解放)。示唆のある言葉が落ち着かせてくれる。二年前に発行された翻訳本。元の本は1935年にバーゼルで出版されている。随分古い本の翻訳ではあるが、十二分に現代に通用するであろう言葉が随所に登場する。普段の自分の仕事を窘められたり、褒められたり、背中を押されたりした気分となった。
ヤン・チヒョルト:アシンメトリック・タイポグラフィ
Asymmetric Typography by Jan Tschichold
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表 の中の一節。
われわれはたいてい自分自身で不必要に仕事を難しくしている。まずは全く罫を用いずに組んでみること。罫はどうしても必要なときにだけ用いるべきである。列の間隔が十分に広ければ、見出しの下に中太罫だけを用いる。垂直の罫が必要になるのは、列の間隔が非常に狭く、罫無しでは読み間違いを招いてしまう場合だけである。垂直の罫のない表は組むのが容易で見栄えが良い。罫を使用する場合は3種以上を用いるべきではない。太罫よりも細罫が望ましい。
うう、なんという心地よい文章だろう。