ART TRIENNIAL 2006
大地の芸術祭へ、お初。
http://www.echigo-tsumari.jp/
会場は地震の被害にあった十日町周辺である。こういった文化的な活動が被災後も継続されていることに、そこに暮らす人の強さを感じずにはいられない。3年毎に催されており、今回で3回目。作品数も多く会場範囲も広いので、ボクが体験出来たモノの中からいくつか紹介。
カアリナ・カイコネン「明日に架ける橋のように」
Kaarina Kaikkonen " Like a Bridge over Troubled Water "
R252を十日町へ目指して車を走らせていると、突然、目を奪われてしまったのが、これ。うまいことグラデーションになってる。
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たほ りつこ「グリーン ヴィラ」
Ritsuko Taho " Green Villa "
小高い丘の上にある「光の館」へ登る途中。気持ちの良い芝生が広がっているナ〜って思っていたら、これも作品。そう、このイベントは大地の芸術祭だった。マウンテンバイクで走り回りたいと思ったのはボクだけではあるまい。
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で、登り切ったところにある小さな小屋。
母袋俊也 「絵画のための見晴らし小屋」
Toshiya Motai " Prospect Cottage for Painting "
小さな入口から潜り込んでみると、小窓から覗く景色が室内とのコントラストでとても鮮やかである。そこに自分が存在しているのに、いないような感覚は、僕らがずっと四角に切り取られた世界を普段から見慣れているせいなのかもしれない。絵画や写真、映画やテレビ・・・四角に切り取って観るという行為はずっと進化しているようで、していないような。結局は覗き窓なのか?
海にもあったらいいのに。
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ジェームズ・タレル 「光の館」
James Turrell " House of Light "
訪れたのが昼間だったために、なんとなく違うような。ここは、夕暮れ時から夜が美しい空間になるような気がする。そして、この写真だけ見ると、母袋さんの小窓を覗いている作品のような気もするけど、覗き窓を絵画のように楽しむ作品と、建物の内部と外部の光が一体となって作る空間を楽しむ作品では、まるで体験の仕方違ってくるから感じ方も別物。。体験するプロセス、そこにいることで生まれるアートならではだね。ただ残念ながら、今回はこの施設に泊まる予定はないので、本来の楽しみ方はできなかった。
ちなみに、PingMagのレポートで、泊まったらどんな具合なのか報告されている。
http://www.pingmag.jp/J/2006/08/21/staying-in-james-turrells-house-of-light/
ちょいと、羨ましい。
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よく見ると、白いビニール紐だ。
杉浦久子+杉浦友哉 昭和女子大学杉浦ゼミ 「幸(ユキ)のウチ」
Hisako and Tomoya Sugiura + Sugiura Laboratory, Showa Women's University "Gift in Gift"
地震で倒壊した家の跡地にできた、白いレースの家。本当に細い路地裏の住宅の中にある。細かい作業の繰り返しで、出来上がるまでの労力を考えると、地震であっという間に消えてしまったことへの人間の挑戦のようにも思えてくる。
ほかにも、車を走らせながらいくつか出会うことは出来たけど、短い時間だったので川西と十日町エリアだけしか回れなかった。しかし、大地の芸術祭というイベントを通して感じたことは、説明無しでは感じ取れないモノと、その瞬間にグッと心を動かされるようなモノとがあった。ボクは好きかどうかの判断しかできないけど、説明がないと分からないものって、なんだかな〜っていう感じ。次回は、松代や津南方面へも攻め入りたい・・・っつーか、松之山温泉とかでゆっくりしたい。
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大地の芸術祭とは関係ないけど、当日夜に利用した「じょんのび村」にある吊り橋と、吊り橋の下に見える田んぼ。橋の中でも、吊り橋のデザインって好き。橋の下の水田も、川の流れと山の流れに沿って美しい曲線を描いている。平野に広がる効率的なグリッドの水田とは違う美しさを感じる。バウハウスでなくてガウディ?ボクとしては、こういった景色もアートを感じてしまうのだけど、どちらかと言えば、デザイン的な景色だね。これは出来上がるまでのプロセスの違いによるのだろうか、作者のメッセージを発しているアートと、純粋に利用目的のために生まれてきたデザインとの。。そーいえば、工業系のプロダクトに美しさを感じるのは、そういうことなんだろうね。
ちなみに、大人450円の入浴料は安いよ。
http://www.kisnet.or.jp/jon-nobi/
こういう大っきな芸術って気持ちいい。
知らなかった。4回目はぜひ行きたいな。
Posted by: 横井祐一郎 | 2006年09月06日 06:10